社長の椅子だけ譲っても・・
2018/09/12
こんにちは!
東京都八王子市の「ひとり仕事人」伊橋行政書士です。
「相談者様どうされました?」
「事業承継」をできるだけ早く準備しないと、
税金や会社の経営が大変なことになる、という
ことが分かってきたことと思います。
【社長の座だけ譲っても・・】
一般的に、中小企業のオーナー社長の場合、
代表取締役社長の椅子を息子や家族、優秀な
幹部社員に譲り、自分は第一線から退いて、
後継者に事業経営を任せることをいいます。
しかしながら、事業承継の3つの重要項目
- 1.経営権の承継
- 2.財産権の承継
- 3.支配権の承継
から見ると、「社長の座」だけ譲っても、
実際には会社の事業経営を譲ったこと
にはなりません。
2の「財産権の承継」である自社株を後継者に
譲ることができて、初めて3の「支配権の承継」が
成されていきます。
株式の承継が計画的に実行されて、いよいよ
会社の事業や経営に関わる部分も、
オーナー社長の意思が引き継がれます。
【少なくても自社株3分の2以上所有】
株式所有和依頼によって、その株主の権限が
決まってきます。
- ①3分の1以上所有・・株主総会の特別決議に
- 対する拒否権を持つ
- ②取締役の選任等株主総会の普通決議の
- 可決ができる。経営支配権を持つ
- ③3分の2以上所有・・取締役解任や定款変更
- 等株主総会の特別決議の可決権を持つ
ちょっと見ると、2分の1以上の所有で良いように
思いますが、「普通議決権」しか持てないので、
社長の座を守る程度の議決権しかありません。
ですから、会社の経営権までを持つには、
最低でも自社株の3分の2以上所有している
ことが必要です。
オーナー社長が自社株を100%所有している
のであれば、事業承継においては、100%全て
を生前に承継者に引き継ぐことを目指しましょう。
中小企業の非上場株式とはいえ、相続の時
には相続財産ですから、遺産分割協議の後には
多額の相続税の支払いが必要です。
例えば、相続税の支払い負担額によっては、
オーナー社長の所有株式が、後継者ばかりでは
なく、他の親族に分割することになります。
また、家族のみに渡った株式であっても、その後
全く知らない人に渡ってしまうこともあります。
会社の業績が好調で、株価が高い場合は特に、
株式の買い取りを請求されて、急に多額の資金が
必要になります。
その結果、会社の財務・経営面が安定した状況
ではなくなることも出てきます。
ですから、安易に株式を分散させることは、極力
避けるべきで、社長持ち株100%取得承継を
目指しましょう!
きょうはここまで・・
お疲れ様でした。